とちとこReport vol.1【 TOMEIKAN Monthly Report】
新時代の教育について
東明館は「日本最速でSociety5.0に対応した学校(学校Ver3.0)になる」を2023年度からの目標にし、これからの時代における、生徒の自律・自走/相互承認/創造を実現していくために最先端の教育を実践していきます。
対話によって変わり続ける学校
2022年度は「対話によって変わり続ける学校」として、1年間様々な方と対話を行ってきました。
「対話」とは、お互いの前提や意見の“違い”をわかり合おうとするもので、その場にいるみんなでテーマについて話し合い、探究したり気づいたりするものです。なので「討論」と違って、正解を出しません。「討論」は設定されたテーマに対し、どの意見や主張が正しいかを導き出すものです。一方、「対話」は大まかなテーマの中で一人では気が付かない新しい考え方にたどり着こうとする姿勢を持ちます。対話には、いくつかのルールがあります。「否定も断定もしない」「沈黙を歓迎する」「アイディアをつなげる」など、全員が対等な立場で意見や考えを出し合います。
私たちはこの対話というツールを使って、これからの「教育のあり方」、「いい学校の定義」などといった、日本の未来に大きな影響を与える教育について合意形成を図り、一緒になって東明館の教育の未来、日本の教育の未来について考えてきました。
ここで大事なことは、学校という場所は、単に教師と生徒のものではなく、ただ、勉強を教えたり、学んだりする場所ではないということです。そして、これからの教育や環境が、将来的に企業や自治体の未来を創造する有望な人を育てると考えています。
こうして私たちは、「生徒対話」「教職員対話」「未来教育対話」を行いながら、本校の教育目標(好学愛知・自律自啓)を現代版に置き換えて、
自律・自走 / 相互承認 / 創造
する生徒を育てる学校へ私たちは変わり続けていくことを決心しました。
2023年度、大きな転換期を迎えます。
保護者の皆様、ぜひ見守っていてください。
教育の変化と私たちのヴィジョン
自律・自走 / 相互承認 / 創造
を実現するためには、今社会がどうなっているのか。教育は未来にどうつながっているのかを明確にした上で、上記の目的に合うための手段を選択しなければなりません。
ここからは、これからの時代に必要な力と教育、私たちのヴィジョンをお伝えします。
【未来の仕事はAIに置き換わっている】
近年、AI(人工知能)は急速な進化を遂げています。22年後の2045年にはAIが人類の知能を超え、人間の生活に大きな変化が起きると言われています。これをシンギュラリティ(技術的特異点)と呼びます。最近ではそれがやってくる時期は2030年代に早まるとも言われていますし、ChatGPTの出現により、もう訪れ始めているとも言われています。その時代の中でも教育に関する問題は待ったなしと言っても過言ではありません。
なぜなら、これからの未来を生きる子どもたちに、私たち大人が「生き抜く力」を身につけさせなければならないからです。AIが発達すると、人間の仕事環境にも大きな変化が起きていきます。今の時代にあって当たり前な仕事がどんどんなくなっていきます。
例えば、自動運転技術とタクシー業界。タクシーにかかる費用の70%は人件費だと言われています。これが自動運転によってかからなくなります。また、残りの30%も、デジタルサイネージで広告を出したり、タクシー内で買い物できるような端末を作ることで、広告費としてスポンサーが払うような仕組みができさえすれば、もしかしたら私たちはタダで移動できるような時代が来るかもしれません。もしそうなれば、移動に関する革命が起こります。私たちは、住む場所に縛られることなく、仕事や勉強、食事をしながら他県にある職場や学校に向かうことができるような時代が来るかもしれません。
そんな新時代に活躍できる人材のキーワードは 「圧倒的能動思考」
つまり、他人や周囲の環境に依存せず自分にしかできない仕事を作り出せる人です。私たち大人は、未来を生き抜く子どもたちが自分で仕事を作ることができる学びの環境を作る必要があるのです。圧倒的能動思考を手に入れるためには、3つの条件があります。
①社会や組織に身を委ねないこと
②自分で考え行動が起こせること
③責任が持てること
自分にしかできない仕事を作るためには「想い」と「問題発見・解決能力」が必要になります。「想い」がなければ当事者意識や責任感は生まれませんし「問題発見・解決能力」がなければ行動ができないからです。この2つさえあれば、社会情勢がどんな形になっても必ず自分の頭で考えて行動を起こし、社会に適応していけます。
【日本最速でSociety5.0時代に対応した学校になる】
VUCAとは今の時代を表す、「Volatility=変動性」「Uncertainty=不確実性」「Complexity=複雑性」「Ambiguity=曖昧性」の4単語の頭文字をつなげた略称で、「VUCAの時代」とは「予測困難な、変化の激しい時代」を指します。 内閣府は「Society5.0の超スマート時代がやってくる」と提唱しています。これはサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会(Society)です。こうした社会に求められるのは、自分に合った学び方や価値を創造する力、科学的に思考・吟味して活用する力、 未知の世界に挑戦する好奇心を身につけること、価値を見つけて生み出す感性とその力、他者と共に生きることを実感する原体験の多さといった、この時代を生き抜く子どもたちを社会に送り出すために学校教育の現場にも様々なアップデートが求められています。ところが、Society5.0の時代に対応できる子どもたちを生み出す学校は、まだ日本には存在しないと言われています。 だからこそ、私たちは教育目標を軸に、いち早く学校ver3.0を実現するために、総合選択制・個別最適な学び、協働的な学びなどを実践します。
Monthly Reportについて
【このmonthly Reportの役割について】
「教育」は時代や社会に合わせて変革しなければなりません。そのため、私たちは新しい学校づくりを常に時代に合わせて書き換えていきます。
言い換えると、これから行っていく学びの改革や学校づくりは、私たち教職員も保護者の皆さんも誰も受けたことはありませんし、経験したこともありません。
私たちは一貫して、生徒の「well-being」の実現と、未来社会を生き抜く力の育成のために、【自律・自走/相互承認/創造】を大切にし、それに合わせて、どのような取り組みをしていくかを考え実践していきます。これにより、新しい時代に必要な教育モデルを確立していきながら、近隣の公教育水準を引き上げることに貢献します。そうしていくことが、日本社会をより良くする一歩になると信じています。
今後は、そういった東明館での新たな挑戦を月に1回程度、投稿していきます。
そして、ご覧いただいた保護者・卒業生・企業・自治体・地域の皆さんと、教育に関する価値観を共有し、一緒になって教育水準を底上げしていきながら、より良い日本社会を築いていきたいと思います。
ぜひ引き続きご覧ください♫