形にとらわれず、中身を見る「私」の中身を見てくれた校長先生の教えを後輩たちへ
東明館中学・高等学校の高3学年主任の和泉です。
東明館の卒業生でもあります。
高校3年の学年主任として特に注力しているのは、東明館が掲げている「個別最適化」の学びを、生徒たちの進路支援にどう反映させていくかです。
生徒ひとりひとりの目標が明確に分かるよう、目標を設定したシート作成し、全ての先生方が共有できるようにしています。
このシートを元にして、生徒たちに対してさらに適切な支援ができる仕組みを作っています。
「私」をきちんと見てくれた校長先生
私は親が教員だったので、「先生」という存在がとても身近にありました。こうした環境で育ったこともあり、東明館在学中に私のサポートしていただいた多くの先生方には、今でも感謝しています。
中でも印象に残っているのが、私が高校の時の校長先生です。
校長室でよく添削指導をしてくださいました。
校長先生はとてもざっくばらんで快活な性格、添削指導だけでなく、卒業後の人生の在り方などを考えてほしいという思いから、ご自身の生きてきた中での経験を私に話してくれました。
私と校長先生とのやり取りは、「先生と生徒」というよりも、「人間と人間」のやり取りというか、「私」という人間を見てくれているんだなと感じました。
時には「先生なのに、私にそんなこと言っていいの?」と思うことも(笑)。
でも、お互いにわかり合えていたからこそ、成立していた関係だと思います。
校長先生との出会いを通じて、教員は物ではなく人を扱う、人との関わりの中であるべき仕事だと感じました。
生徒の個性をきちんと見て、言葉では表せない非言語の部分も含めて生徒を見る。
大変なこともありますが、それ以上に楽しさもあると感じました。
いつかは東明館の教壇に立って、生徒たちと関わりを持ちたいという思いが生まれました。
結果的に私自身、納得のいく形で希望の大学に進み、卒業後は証券会社に就職しました。
大学は文系だったので、経済の知識をもっと入れたほうが良いと感じ、経済の流れを一通り知ることができるのが証券会社だと思ったんです。
証券会社で1年間働いた後、東明館で非常勤講師として1年間お世話になり、福岡の高校を2校で合わせて3年間教員をしました。
教員として戻ってきた東明館に感じた印象
東明館に教員として戻ってきたのは2015年です。
戻ってきたころは「東明館の教育って、見えない部分が多いな」という印象を持っていました。
学校にはそれぞれの教育方針があるし、先生方もそれぞれの教育観を持っています。でも、最終的には学校として掲げた方針に沿って生徒たちを支援していきます。
東明館にも「好学愛知 自律自啓」といった校訓もありますが、私が戻ってきたときは東明館の教育方針がちぐはぐしていて、どんな方針を掲げていくのかがいまいち、分かりづらかったと思います。
そんな中で、私は1人の教員として考えは持ちつつ、先生たちと生徒たちの橋渡し役として生徒たちのサポートをしてきました。
大切なのは形じゃなく、中身
生徒たちに常日頃伝えているのは「大事なのは形じゃなくて、中身」ということです。これからの社会の在り方を考えたときに、持続可能社会や世界平和を実現するためには、よりローカライズされた考え方が大切になっていくと思っています。
形にとらわれず、中身を見ることができれば、物事の本質を見極めることができます。
例えば神野校長を見ると、それまでの校長先生と見た目がまるで違いますが、中身を見ると教育の本質を突く言葉がたくさん出てきます。
生徒の反応を見ると、神野校長の考えが伝わっているようで、まさに「中身」の大切さを理解してくれていると思いました。
元々、東明館はいろんなタイプの生徒を受け入れていて、受容の幅が大きい学校だと思っています。
これからの学校の形は変わっていくと思いますが、中身をきちんと見極める大切さは変わらないと思います。
「私」というひとりの人間の中身をちゃんと見てくれた校長先生のように、全ての東明館の生徒ひとりひとりの中身を見て、生徒が納得する形で新しい世界へ送り出せるように尽力していきますので、よろしくお願いいたします。